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この写真の山は、姫神山で日本二百名山のひとつ。
ここに母がいるわけではなく、私の心の故郷でいつも姫神山を見て励まされている。
母の最近の記憶は、もう無いに等しい。昔のことはまぁ覚えていていろいろ話を聞けるけれど、日にちや曜日、予定など全く覚えられないので、私は壊れたテープレコーダーのように毎回同じことを伝えている。初めの頃私は、キィーっとなってイラついていたが、母の立場になって考えてみると・・覚えれない自分に焦りや不安を抱えているだろうな、と思った。
その不安感は、その立場になってみないとわかり得ないことだけど、きっと相当なもんだろうと察すれば、私のイラつきもなくなった。
今の母と付き合うには、母がいる場所に私はいない、からそのうつろいに巻き込まれないようにして私自身を大事にしようと思った。