奥会津で野生のホタルを見て

私は、先週末用事があって奥会津に行ってきた。写真は奥会津の手前の磐梯山で会津盆地から見た景色、きれいな三角なので会津富士とも呼ばれているらしい。

 

今回、用事がなかったら訪れることもなかったであろう彼の地は、初夏の風景と山や草木の匂いに充たされていて、私はずっと深呼吸していた感じだった。

温泉街は昭和で止まっているような懐かしさ、温泉は山のお湯なのでとても柔らかくちょっと塩気があり身体の芯から温まる。お宿のスタッフのおもてなしとお料理を堪能し、このコロナ禍なのに思いがけず旅行気分を味わえて最高だった。

 

さらに、お宿のホタル観賞付きを選んだので夜にその場所まで連れて行ってもらう。川に沿ったその場所に着くと暗がりの中にホワンと光ってゆらゆらゆら~りとホタルが舞う。私は「わぁ」と言ったきり言葉が出ない。その幻想的な眺めに圧倒されてしまった。一緒に旅した夫が1匹のホタルを掌に包んで私に渡してくれると、ホタルはずっと動かずに私の指先で淡く強い光を点滅させていた。

 

私は、子どもの頃を思い出していた。その頃は、夏になると夜に蚊帳を吊って寝ていた。当然、網戸はなく窓は開けっぱなしだったので蚊帳に入って電気を消すと迷い込んだホタルが蚊帳に止まってホワンホワンと光を点滅させる。私は、寝付けなくてずっとその光を見ていた。

まだ、こうして野生のホタルが見られる場所があることを嬉しく思った旅だった。